2020年(令和2年)度 京都公立高校 前期選抜 入試問題 概評
本日、2月17日に公立入試前期選抜が行われました。ここでは、共通学力検査の数学の問題を見ていきたいと思います。
※問題、解答は以下でダウンロードできます。
全部で大問6問、それぞれの内容は以下のようになっています。
1.小問集合です。それぞれ小問は以下の内容になっています。
(1)正負の四則計算
(2)(3)文字式の計算
(4)中1範囲の図形「おうぎ形の中心角を求める」問題
(5)連立方程式、「解から文字係数を求める」問題
(6)平方根を使った「式の値を求める」問題
(7)二次方程式の解を「解の公式」を利用して求める問題
(8)関数の増減の問題
(9)球を取り出す確率の問題
2.「資料の活用」中央値と相対度数が理解できているかを問う問題です。
3.「図形と相似」「円の性質」「三平方の定理」すべての要素が入っている図形問題です。
4.「一次関数」「二乗に比例する関数」の融合問題。平行線と面積(等積変形)についても問われています。
5.3.に続いて図形問題です。空間図形を使っての求積問題です。6.は倍数を使った問題ですね
以上が、各問題の大まかな内容です。
では、もう少し詳しく見ていきましょう。
1.は標準レベルの問題が並んでいます。必ず全問正解しておきたい問題ばかりですが、しっかりと演習しておかないと確実に正解できないと思います。
2.はそれほど難しくありません。「資料の活用」の内容を復習して臨んだ生徒は正解できたのではないでしょうか。
3.苦手な受験生が多い「図形」問題です。4.5.にも言えることですが、大問を解く上での一つのポイントは前の問題が次の問題のヒントになってる場合が多いということです。(2)を解くときは(1)の考え方、解答を、(3)を解くときは(1)(2)をヒントに、ということですね。☜これ、大事です
(1)は相似の証明です。「円が出てくれば円周角の利用」ですね。相似の証明は、まず等しい角を探すことに絞って解いて行きましょう。図に等しい角を記入することから始めるとわかりやすいですね。
(2)は(1)で証明した三角形の組の辺の比を使って求めます。よくあるパターンですね。(1)ができなくても、相似であることを利用して(2)は解いてほしいと思います。
(3)これは難問です。まずはACを求めます。当然30°という角度の条件が与えられてますから、それを使うことを考えていきます。すると、二等辺三角形である△ACDの底辺とみると30,60,90の直角三角形の辺の比から求められることがわかります。
次の△ABCの面積ですが、どこから取り掛かったらいいかもわからない人が多かったのではないでしょうか。いきなり面積ですからね。まずは、どの三角形でもいいですから、面積がわかりそうな三角形を探していきましょう。ここでも、ヒントになっているのはACですね。「いきなり面積」では難しいのでACを求めさせることでヒントを与えてくれています。これを利用すると△ABCが求められます。その値と面積比高さ比の考え方を利用して解答が得られます。
難しいですが、よくできた問題だと思います。
4.(1)のaの値を求める問題はよくある問題です。正解してほしい問題です。次のAの座標を求める問題は平行線と線分の比の考え方を利用して解く問題ですね。これが解けないと(2)(3)と進めないので、高得点を狙えるかどうかのカギになる問題といえるかもしれません。
(2)(1)のAの座標が求められれば、解ける問題です。
(3)等積変形の問題ですね。教科書等にも載っている問題といえばそうなのですが、解けた人は少ないのではないでしょうか。△OCE=△OCBにするためにOC平行BEと考えられれば大丈夫です。
5.は「空間図形」の問題ですが3年生の「平方根」の知識がなければ解けません。
(1)QP=BDとわかれば簡単ですね。
(2)は四角形CQRPがひし形とわかれば「対角線×対角線÷2」で求められます。このタイプを一度も解いたことがないと気づきにくいかもしれませんね。
(3)はこの試験の中で一番の難問ではないでしょうか。実はこれも(2)で解いたひし形がヒントになっています。三角錐MCPQと三角錐MPQRが同じ体積と気づけば解けるはずです。
6.は京都の公立入試の定番問題である規則性の問題です。
この問題は約数の問題ではなくて、倍数の問題であることに気づけば、簡単に溶けていけると思います。
以上、簡単に各問題を見ていきました。
1年生は1(1)(2)(4)、2.、3.(1)は解けます。
2年生は1(1)~(5)(9)、2.、6は解けます。
がんばって解いてみましょう。
なお、「Youtube Lesson」にて解説を希望する問題があれば、問い合わせメールから、twitterの返信、DMからお知らせください。