2021年(令和3年)度 京都公立高校「中期選抜」入試問題、コロナによる休校の影響大❕
今年はコロナによる学校休校の影響を大きく受けた入試問題となりました。授業数減により、「三平方の定理」が出題範囲から除外されたことにより、問題の易化が予想されましたが、その通りの結果となってしまいました。それでは、細かく見ていきましょう。
問題はこちらからダウンロードできます。
2021年度 中期選抜 数学
例年通り問題数は全部で大問6問、それぞれの内容は以下のようになっています。
1.小問集合です。それぞれ小問は以下の内容になっています。
全8問とてもやさしい問題です。計算ミスをしないように、じっくりと解いて全問正解したいところですね。
(1)正負の四則計算
(2)文字式の計算(乗除)
(3)平方根の四則計算
(4)式の値を求める問題
(5)二次方程式(x-a)2=bの解を求める問題
(6)二乗に比例する関数の変化の割合を求める問題
(7)点対称移動させた図形を書かす問題(対称移動の問題と間違えた人がいたのでは…)
(8)確率(硬貨の裏表)の問題(4枚だったので少し焦った人もいたのかも…)
2.「資料の活用」度数分布表の問題です。
(1)は基本。「階級値」×「度数」を使う指針まで書いてくれていますので、ここは間違えるわけにはいきません。キリッ‼
(2)はあまり見ない問題で(´・ω`・)エッ?と思った人もいたかもしれませんが、二つの図をあわせて考えると簡単でした。
3.「空間図形」の問題です。例年なら、空間図形を利用して「相似」「三平方の定理」を問う問題が出て、難易度も高くなるところですが、残念ながら1年範囲の投影図から体積、表面積を求める問題になりました。
(1)は公式さえ覚えていたらできる問題ですね。
(2)もそれほど、難しくはないですが、側面を立面図であらわされている正三角形と同じ形と勘違いして、36+36√3とした人もいたのでは…。側面の三角形の高さは立面図の三角形の1辺になることに気づけば楽勝でした(^^)
4.「一次関数」の問題。
(1)は点A、点B、点Cの座標を求められればできますね。
(2)は難しいと感じた受験生も多かったかもしれません。ただ、△ABCの面積も(1)から48と求められます。二等分する直線とBCとの交点をEとすれば、二等分した三角形△CDEは底辺をCEとすれば高さは10-5=5とわかりますので、底辺CE=aとし方程式a×5÷2=48÷2でCEは48/5(5分の48)と求めることができます。CEがわかれば、Eの座標が出ますので、点Dと点Eの2点を通る直線の式を求めれば完成です。分数が出てくるので不安になりながら(◎_◎;)解いた受験生も多かったかもしれませんね。ここは、自分の計算力を信じてじっくりと正解を導いてほしいと思います。
5.「平面図形の問題」です。この問題も3.「空間図形」と同様に例年ですと、「相似」「三平方の定理」の単元が出題されて難しくなるところですが、残念ながら(受験生にとっては幸い?)簡単な問題となっています。
(1)は弧の長さの比=中心角の比がわかっていれば解ける問題です。小学生のレベルです。
(2)はおうぎ形の面積で方程式を作る問題です。π×r2×120/360=54πを解くだけです。
(3)は少し難しいかな。(1) で解いた120°から△OAEが正三角形であることがわかれば、△AEF∽△DOFであることに気づくことができます。あとはOF:EF=OD:EA=5:13からOF=OE×5/18で求めることができますね。
6.はおなじみの規則性に関する問題です。
(1)タイルAは1×4、2×4,3×4…となりますので、n番目はn×4=4nとなります。
(2)タイルBは1枚×1、2枚×2段+1枚×1段、3枚×3段∔2枚×2段…となっていきます。よってn×n+(n-1)×(n-1)=n2+(n-1)2=2n2-2n+1となります。もちろん、全体からAをひく方法でもできますね。
(3)は(1)(2)を利用して4n=2n2-2n+1-1009の二次方程式を解いてください。
以上、簡単に見てきました。最初に記したように、例年に比べてかなり簡単な問題が多かったです。数学が得意でここで差をつけたいと考えてた受験生にとっては、平均点が高くなり差がつかない結果となり、思惑通りにいかなかったかもしれません。その反面、標準レベルを確実にとけるようにしていた受験生にとってはしっかりと点数を積み上げることができて、良かったのではないでしょうか。ただ、ケアレスミスが命取りになる可能性もありますので、緊張感のある40分間だったと思います。
前期選抜と中期選抜のそれぞれの概評を書きましたが、中期選抜は特にコロナによる授業時間の減少の影響を受けた問題となってしまいました。現1.2年生が今年の入試問題を参考にするときは、今年は例年と傾向が違うということを踏まえて、今後の学習に生かしてほしいと思います。
1.2年生にも解ける問題をピックアップしておきますので、チャレンジしてみてください。
1年生は1(1)(7)、2、3,5(1)(2)6(1)は解けます。やはり例年に比べて増えています。
2年生は上に加えて1(2) (4)(8)、4、2となります。
がんばって解いてみましょう。