2021年(令和3年)度 京都公立高校 前期選抜 入試問題 概評

本日、2月16日に公立入試前期選抜が行われました。ここでは、共通学力検査の数学の問題を見ていきたいと思います。

※問題、解答は以下でダウンロードできます。

全部で大問6問、それぞれの内容は以下のようになっています。
1.小問集合です。それぞれ小問は以下の内容になっています。
(1)正負の四則計算
(2) (3)文字式の計算
(4)反比例に関する問題
(5)連立方程式(A=B=C)の解を求める問題
(6)正多角形の辺を求める(外角の和を利用)問題
(7)平方根の問題
(8)二次方程式の解を(「解の公式」利用)求める問題
(9)「資料と活用」平均値と中央値の問題
2.「確率」カードを2枚続けて取り出すことに関する問題。
3. 「一次関数」「二乗に比例する関数」図形が移動する問題
4. 「三角形と四角形」「図形と相似」の問題。証明問題が出ています。
5.4.に続いて図形問題です。「空間図形」を使っての求積問題です。

6.は規則性の問題ですね

以上が、各問題の大まかな内容です。

では、もう少し詳しく見ていきましょう。

1.は標準レベルの問題が並んでいます。必ず全問正解しておきたい問題ばかりですが、しっかりと演習しておかないと確実に正解できないと思います。特に(7)は絶対値のことばを見落とさないこと。(9)は平均値から訂正されて何本増えたのかを把握し、そのあとに中央値を15本にするにはどこを増やせばよいかを考えてください。特に中央値が14本から15本に変化しているのが大きなポイントですね。

2.はそれほど難しくありません。ていねいに20通りの取り出し方をすべて書き出し、その横にbの値も忘れずに書いておけば大丈夫だと思います。このタイプの問題はすべて書き出すことが大事ですね。

3.「関数」問題です。「関数」問題は例年のようなグラフを用いた問題は出題されず(ということは中期は出そうですね)、図形を移動させ、移動した時間と重なる部分の面積との関数関係を求めさせる問題でした。重なる二つの図形もよくある形の問題ですので、何度か解いたことがあると思った受験生も多かったと思います。(3)は難しくないですが式や数が簡単な整数や分数でなかっただけに不安に思った人多かったのではないでしょうか。

4.(1)は平行四辺形になるための条件を利用した証明です。等しい角度が錯角であることに気づけば、そこから平行に結び付けられますので、楽勝ではなかったでしょうか。
(2)は非常によくある面積比の問題です。「相似比と面積比」の考え方より「底辺比と面積比」の考え方を利用しています。こちらのほうが頻出ですね。GがACの中点、AE:EHを平行線と線分の比の考え方からていねいに出せれば正解に近づけたと思います。

5.は「空間図形」の問題です。
(1)これは簡単ですね。公式を覚えておれば解けます。
(2)はABとDCを延長して直角三角形を作って、相似を利用すれば解けます。
(3)は全体的に簡単になったこのテストの中では難しい部類に入る問題です。これはADやEFを求めようとしないで、「相似比と体積比」の考え方で水の量とYの容積の比を出して求めましょう。

6.は京都の公立入試の定番問題である規則性の問題です。
この問題は最初にマスAにx、マスBにyをいれて、2段目以降をxとyを利用して表していきましょう。(3)は少し難しいかもしれませんが、それぞれのマスをmを使って表すのに、xやyを使って考えたことが生きてくると思います。

以上、簡単に各問題を見ていきました。

今回は休校期間があった関係で「円」「三平方の定理」の範囲が除外されています。よって、例年に比べると平易な問題が多くなっておりますので、取りこぼしは許されないのではないでしょうか。

1年生は(1)(4)(6)、は解けます。
2年生は1(1)~(6)(9)、6は解けます。

がんばって解いてみましょう。